医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

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  • 4月からの保険改定で、第一小臼歯支台ブリッジに硬質レジン前装冠が応用できるようになった件

2016.04.024月からの保険改定で、第一小臼歯支台ブリッジに硬質レジン前装冠が応用できるようになった件

表題の件、今までメタルクラウンしか応用できなかったが、4月から解禁となった。
決して、画期的だとは思わないが、選択肢が増えるということはいいこと。
簡便な審美目的達成にはいいことであろうが、安易な応用によるトラブルが懸念される。
残念ながら、セラミックと同程度の耐久性、審美性、機能持続性はない。

前回の保険改正で、小臼歯部へのCAD/CAM硬質レジンクラウンが応用されたのだが、他医院においての咬合関係に由来すると思われる破折トラブルに複数遭遇している。
多分、そこまで咬合の診査を行っていないのだろう。
私の場合は症例を厳選し、補綴管理期間の2年間持たないようなものは、その旨説明させていただき、同マテリアルでは対応しない、もしくは4/5クラウン、もしくは保険外診療で対応としていたので、トラブルは殆ど無い。
同様に今回の保険導入も、適応乱用からくる短期間でのトラブル多発が懸念される。
また、反対側の歯牙がブリッジではない場合、硬質レジンクラウンもしくはメタルクラウンでしか対応できず、
チグハグ感がつきまとう。


さて、4月からこのようなシステムになったが、これまでは保険診療なら有無を言わずメタルクラウンとなっていた(状況によって前述4/5クラウン応用も可能だが、技術がないと精度を出すのが難しい。また、特殊な要件を満たせば対応可能な場合もあった。)。
ある患者が、他の某歯科医院ではその部分も「白く」してくれるのに、私の医院ではなぜ対応できないのかとえらくご立腹のことがあった。
いくら保険上の制度と説明しても受け入れられず平行線なので、その医院へ行かれる事をお勧めして治療中止とした。
でも、根本的な話、なぜ、その患者は某歯科医院に通院しないのか、患者は話さないので、最後まで謎。
口腔内の状況から推察するに、虫歯、歯周病の長期放置、治療開始したものの治療中断の繰り返しでにっちもさっちも行かなり、また違う歯科医院へ受診、ドクターショッピングの繰り返し・・・・、その何軒目かが当医院ということ。
別にどうでもいいけれど、本当に健康保険の無駄遣いである。
無理難題言われても困るし、無理に患者に寄り添う事が親切とも思わないので、転院は、それはそれで全くかまわないのだが、みなさんもよく考えて欲しい。

保険で本来できないものを行うという歯科医院 → 当然、規定の保険点数内での請求しかできず、医院としてはペイしない → 安価な材料を使用する、治療の手を抜く → 短期にはその患者は満足するかもしれないが、すぐに問題発生 → 単なる客寄せ人気取り → しかし、そもそも、このような理屈を、そのような患者はよく分かっていない・・・・と、いう流れであるが、いくら説明しても分からない方には分からない。


そもそも、審美的要求は患者さんにおける要求度合いの差がものすごく大きく、シビアに気にされる方、まったく気にされない方と一律で評価できるものではないし、主観的なものが大きいから、正解というものもない。