医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.02.23治療を簡単に考えない方がいいです

長期間放置状態→全顎的治療必要、保存不可能な歯牙も多々有り→そうだ、インプラントがいい、と簡単に考える人がいる。
ネットで色々調べたものの、肝心なことは全く理解していない、というか、ちょっとググッて自分に都合のいい情報のみ鵜呑みで来院、実際に診察→治療期間、コスト聞いてビックリ!
というような事が、どこの歯科医院でも起きている。
何年、何十年とかけて悪くなったものが、1〜2ヶ月で治療可能であるわけがない。
治療は簡単と説明する歯科医もいるが、その歯科医が分かっていないだけで、複雑な治療はそう簡単には進まないし、よく理解を深めていただかないと、結局はロクなことにならない。

インプラント治療の費用は1本いくらかとの電話での問い合わせもあるが、そんなもの、実際に診察してみないと分からない。
外傷で1本歯牙欠損起きたのならともかく、(これも審美的要件などから、本当は簡単には分からないのだが。)、
様々な診査、診断後、治療計画の立案してみないと何とも言えない。
熱があるけれど、風邪ですか?治療費いくらかかりますかと内科に問い合わせはしないだろうし、答えてもくれないだろう。
車ぶつけたけれど、修理費はいくらかとディーラーに問い合わせもしないだろう。
そもそも風邪なのか、もっと重篤な病気の一症状としての発熱なのか、表面上少し凹んでいても、実はモノコックに至るような損傷を受けているかは実際に診ないと(見ないと)分からない。
歯科の場合、この理屈が通用しない場合がある。
インプラント治療を行う必要がある方は、大概、自覚症状はないものの、全顎的に何らかの問題を抱えているもので、それらに目をつむって、インプラント治療のみ行う事は大変危険であるのだが、中々理解を得られないこともあり、
どうしても理解得られないなら、治療はできないとお伝えしたこともある。
ちょっと胃がムカムカするからとレントゲン写真撮影したなら、実は腫瘍があった、でも、シンドイのはムカムカだから、胃薬だけ出してくれと普通は言わないと思うけれど、これまた歯科の場合、この理屈が通用しない場合がある。

患者がああして欲しいというなら、ああしてだけしてあげれば良いと考える歯科医が確実に存在する。
患者のご機嫌取りに終始する、今のメインストーリーだろうが、そこには医学的根拠、長期安定性というようなものは存在しない。
結局、その場しのぎ、後追いの治療になり、じわじわ問題が大きくなるだけ。
プロとしてそれでいいのかどうか?
少なくとも私にはそのような話はできない。
とにかく、直接生死にかかわらないからか、簡単に考えるあなた次第の部分が多々あるのだけれど、あまりにも簡単に考えないほうがいい。
患者さんも、なぜ、そのような複雑な状況に陥り、治療が必要なのか十分に理解していただきたい。
そうしないと、結局元の木阿弥になるだけ。
また、ご自身の要望以上の治療を無理して行うのも止めた方がいいです。