医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.02.22医療機器、機材の進歩

近年、医療機器、機材の進歩は目覚ましいものがある。
次々出てくるものを導入することはコストが膨大にかかり、しかも先進治療のほとんどが保険診療できないとなると、保険診療ベースの歯科医院では宝の持ち腐れ状態になり、また、使いこなすのには付随した膨大な周辺機器の導入と、それよりテクニック的にもスタッフを含めたトレーニングが必要、そして繊細な診療を行うには膨大な診療時間が必要となり、とてもペイできないと導入に躊躇も多い。
そもそも、年間を通してインプラント治療が10〜20本程度、難症例に対応する知識も技術もない、保険診療が大部分を占める、ごく普通の歯科医院において、そこまでの高度な診療の需要がどこまであるのか疑問。
逆に道具に振り回されているケースも多い。
マイクロスコープを例にあげれば、10倍、25倍と拡大したのならば、拡大倍率以上に繊細なテクニックが必要になるし、専用根管治療、歯周外科治療の周辺機器もそろえる必要がある。
専用周辺機器も一式揃えると、ピンセット1本数万円で非常に高価だ。
多くは対患者のハッタリ、オブジェとなっており、前述の通り、これを宝の持ち腐れと言う。
先進医療機器のみを誇示する歯科医院に難症例の相談をしてみるとよい。
どうなることやら、、、、
先日も???だった症例なのだが、歯科用CT、マイクロスコープ完備と謳う歯科医院へインプラント治療希望で受診したものの、CT撮影すると骨が薄くてインプラント治療できないと言われた患者さんが来院された。
もはや最新機器が、その歯科医において治療できないことの証明にのみ使用されているとう事は、その患者さんには申し訳ないのだが、お笑いである。
いや、出来ないことの証明とは、実は論理学的には深遠なる世界なのかもしれないが・・・・・
その後、その患者さんは当医院においてサイナスリフト、インプラント同時埋入行い、現在プロヴィジョナルクラウン装着で経過観察中である。
このような事は、笑い事ではすまされないほど多いのが現実。
使いもしない、使えもしない最新機材を揃え、実践できもしない講習会に行きまくって自己満足の歯科医も多いのも事実。
前述のマイクロスコープにしても、通常よりはるかに繊細なテクニックが必要だし、、また、サイナスリフトできもしない、行ったこともない、極簡単なインプラント治療しかできないのにピエゾの講習会行ってもねえ。
最新機材を自身のWeb で自慢しても、症例公開していないのは、できないからにほかならない。
実習コースで豚の顎骨でシミュレーションして分かったような気になってもねえ、実際、生身の人間とは違いますよ。
大体、このような歯科医院は機材に金かけても、それらを維持する消耗品、人工骨、メンブレン、特殊な縫合糸などのオーダーが全くないので、実際は行っていない、行えないということを業者などは言わないだけで認識している。
以前、当医院において次から次へと前述の、通常の歯科医院では使用しない様々なものを注文していたら、前述のようなことを言われた。
ちょっとムカついたのだが、実情というものも分かった。

ペン1本、筆1本、ライカを持とうとも、書家や芸術家になれるかは別の問題で、要は使い手の問題の方が大きいのだが、残念ながら患者さんも、そして歯科医自身もこの辺りが分かっていない。

しかしながら、プロの世界において「弘法筆を選ばず」というものも、実は存在しない。
これもまた真なり。