医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2016.01.19根管治療

他医院において右下6部の根管治療を行っていたものの、全く痛みが引かずに当医院受診。
術前レントゲン写真。
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近心2根に、ファイルらしきものがご丁寧に2本も破折して残留している。
ファイルの破折、残留は前医から全く説明されておらず、痛みが引かないなら抜歯してブリッジ治療か、インプラント治療をと言われたらしい。
神経に針が刺さったままなので痛くて当たりまえ。
マイクロスコープ下で破折ファイル除去後、通常通り根管治療終了。
前医による雑な根管治療の形跡が観られたため、今回はMTAセメント使用、プロビジョナルクラウン装着、経過観察後、補綴物はオールセラミックスを予定。
5┓も審美的に不満があるということなので治療予定。
破折していたのはロータリーファイルであった。
根管充填後のレントゲン写真。
症状は全く無く、良好な経過であるが、過去に雑な神経治療を行うとマイクロクラックが生じ、中長期的に歯牙をダメにする場合もあるし、破折ファイル
片除去のためのアクセス形成のため、通常の根管治療よりも太くなっていることは懸念材料である。
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最近根管治療分野の治療機器の進歩は著しいが、その特性、テクニックをよく理解せずに安易に使用するとこのような事態になったり、歯根を傷つけてしまったりする。
その挙句抜歯、インプラントにしまょうか?というようなろくでもない話もちょくちょく聞く。
ロータリーファイルは本来使用限度が決まっているし、非常にテクニックセンシビティであるので、その辺りを理解しないといけない。
根管治療終了は根管治療がきちんとできているか、根管充填剤がきちんと充填できているか、確認のためレントゲン写真を撮影するが、きちんと治療できているかその写真を主治医に見せてもらって説明を受けた方がいいです。
(当医院においてマイクロスコープを用いての根管治療は非常に時間がかかるため、保険外診療、もしくは上部補綴物が保険外診療の場合のみとさせて頂いている。また、予め紹介状をお持ちいただいた方がいい場合もある。)