医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.11.24Dr.Giovanni Zucchelli講習会

大阪で開催されたGiovanni Zucchelli(イタリア)の講習会に参加してきた。
微細な歯肉移植歯周外科処置である。
当医院の実例。
他医院で数年前にPFMBrが装着されているが、歯肉が退縮してきたためその医院を再受診したらしいが(メインテナンスは行っていない)、PFMBrの再製作を提案されたため、当医院を受診。
PFMBrの適合状態が今ひとつなのだが、歯肉移植で対応を計画した。
適合不良の補綴物への歯肉移植の予後は疑問であるが、歯周病などでの歯肉退縮への適応症例は当医院では大変多い。
DSC_4861.JPG
マイクロスコープ下で退縮した歯肉を、周囲の歯肉を移動したり、移植行ったりする。
マイクロスコープは本来このような事や、根管治療に使うものですよ。
マイクロスコープ完備とうたう歯科医院も多いけれど、実際の普及率は10%にも満たず、それを使いこなしている歯科医院などさらにそれの10%程度しかない。
10倍、25倍と拡大したのならば、それ以上に繊細なテクニックが必要になるし、周辺機器もそろえる必要がある。
多くは対患者のハッタリ、オブジェとなっており、これを宝の持ち腐れという。

技術的には麻酔を打つ部位にも気を使わなければならないほど繊細かつ高度なものが要求され、ある意味、インプラント治療などより難易度は高く、誰でもできるものではないし、どこでも行っているわけでもない。
このDr.Giovanni Zucchelliの著書は既に読んでいたが、実物を見るとやはり新鮮だ。
切開線を台形にすると歯間乳頭部分が余るであるが、その理由と取扱の詳細がよく分かった。
今回のオペ映像は3Dで、微妙なメスさばき、角度などがよく分かった。
受講者は専用メガネを装着するから、異様な雰囲気なのであるが、自分がオペしているような感覚になって興味深かった。
手際が繊細かつスピーディー。
歯周外科診療を日常的に行っている歯科医院は極僅かであるため、このような濃い講習会を受講する先生方も濃い人が多い。
お互いに刺激を受け合い、色々意見交換できて中々おもしろく、興味深く、新しいアイデアも出てくる。

インプラント治療などは患者さんに対してのインパクトは強いが、しょせん歯科治療のオプションの一つでしかなく、
様々な、非常に細かい治療をコツコツできないのに、インプラント治療のみが突出することなど、少なくとも私は考えられない。