医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.07.07保険診療と自費診療

患者さんの一番気にかかる話であると思う。
このBlogでご紹介している診療内容の殆どは保険外診療である。
のっけから申し訳ないが、保険診療と自費診療の何が違うのかと言われれば・・・誤解を恐れず言うと、歯科医のこだわりの深さ、腕の差がハッキリ出ることだと思う。
裏を返せばこだわりのない歯科医だと、補綴物だけで考えても根管治療、歯周環境の整備、ダウエルコア、形成方法、印象方法、試適の回数、色調・形態修正、リマウント、仮着、最終セメンティング、勿論作製する歯科技工士のこだわりも含める必要あるが、・・・・・様々なプロセスを全部すっ飛ばし、保険診療と全く同じプロセスで雑なものを何十倍ものコストを請求するということになるから、患者さんとしてはたまったものではないと思う。
勿論、こだりたくてもこだわるだけのハード、ソフトがない歯科医も多いのだが。
残念ながらそこを見極める術は患者さんにはないという全く不平等な世界だ。
バナメイエビを車海老と言われて誰も気づかなかった話とはちょっと質が違うのだが、
愛想ふりまき、口が白衣着ているような歯科医の話(説明、インフォームドコンセントでは決してない。)に乗せられてしまう。
保険診療は手を抜いているわけではない。
あまり表には出ないが、歯科に限った話ではない。
保険診療は国が定めた術式、使用材料、その他ルールを順守しなければならず、患者さんのためと良かれと思ってルールを逸脱した治療を行っても患者さんに請求できない。差額としても請求できない。
もちろん保険外適応の術式、使用材料、使用機材、は高コストである。
そしてなにより治療時間が猛烈にかかる。
例えば大臼歯部の抜髄処置をマイクロスコープ下で行うと1時間は必要だ。
5分、10分で抜髄処置行い、治療終了してもなかなか痛みが取れないという経験がある方もおられるだろうが、
きちっと治療できておらず、いずれ問題再発する可能性大である。
当医院が予約診療しか行わない、いや、行えないのはこの辺りが理由だ。
当医院で使用しているコンポジットレジンを一例に取ると、保険診療用と保険適応外のものではコストが10倍以上違う。
保険適応外のものは審美性(色調(シェード)は約30色ある)、耐久性は全く違うのだが。
残念ながら国の定めた保険診療のルールは現時点で世界最先端、世界基準ではなく、30〜40年前のものベースである。
確かに最新診療を保険診療で認めている部分もあるが、何かしら国民に対するエクスキューズ感がつきまとい、現実的ではない。
インプラント、セラミックスクラウンは言うに及ばず、診療にマイクロスコープを使用し精度を格段に上げ、高度な根管治療を行っても保険診療はできない。
私も明らかに問題ある場合はコスト無視で行うこともあるが、限界がある。
どこかで必ず一線を引かなければならない。
繰り返すが、保険診療と自費診療の何が違うのかと言われればその歯科医のこだわりの深さである。
人間の行うことだから100%というのはあり得ないが、100%に向けベストを尽くしているということである。
歯科医の持てる知識、技術、経験、器材、、、を自由にに操って診療を進め、患者さんにとって最良の結果を導き出せるということだ。
例えれば、大きなスケートリンクの狭い範囲でチョロチョロ滑るのと、リンク一杯に大きく滑ることの違いとも言えよう。
したがってペリオのマネージメントもできない、根管治療もいかげん、咬合治療も適当、型とりも保険診療と全く同じやり方・・・・稚拙な技術で治療を押し進め、最終補綴物を保険にしましょうか?やはりセラミックスの方がいいですねと程度の選択肢ではないのである。
逆に保険で良い治療をというのも前述のように絵に描いた餅であり、対患者リップサービスにしか聞こえないような気がして、心底、歯科医が本当にそんなこと言ってるのかどうか疑問である。
以前も書いたが、そのようなこと言ってる歯科医自身、家族、友人、スタッフ・・・全部保険で診療しているのか?

もちろん、患者さんの治療に対する理解、協力がなければ複雑な治療を完遂、治療終了後もその状態を維持することは
不可能である。