医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.07.02インビザライン矯正

インビザライン矯正治療を導入して3年になる。
相当数の症例を行ってきた。
詳細は当医院Web siteからリンクを張ってあるアラインテクノロジーのWeb siteを参照していただきたいが、
実際治療を行っての感想、注意点をいくつか。
・対応可能症例は格段に増えたものの全ての矯正治療には対応できない。
 感じとしては全矯正患者の60〜70%くらいか。
 本来便宜抜歯ケースは苦手、もしくは対象外であったが、様々なノウハウで対応可能である。
 元々、当医院でのインビザライン矯正の最初のケースは上下左右4部4本便宜抜歯ケースであり、
 状況によっては通常の矯正治療を併用する、もしくは切り替えると説明していたが、インビザライン単体で
 問題なく治療ゴールに近づきつつある。
 最近、インビザライン矯正システムにG6という抜歯ケースに本格的に対応できるリソースが開発され、実際当医院でも
 いくつもの症例において実施しているがいい感じである。
・自分で着脱できるので、口腔内衛生環境がマルチブラケットと比較して圧倒的にいい状態に維持できる。
 通常のブラケット+ワイヤーでの矯正治療の場合、歯並びはきれいになったものの矯正装置を除去すると
 虫歯になっているということもある。
・治療時の違和感、審美的問題は圧倒的にアドバンテージあると思う。
 通常の矯正治療の場合、矯正器具が口腔内に擦れて傷を作る場合も多いが、インビザライン矯正は皆無である。
 また、審美的問題は特に女性は気にされる方も多いが、ほぼ満足いただいている。

ということで、矯正治療において有効な選択肢の一つだと思うのだが、決してオールマイティ、現状のマルチブラケットに全てとって代わるというものではないので誤解なきよう。
自分で着脱できるというメリットの一つが逆に仇となり、患者さん自身がキチンと装着しなくて治療が進行しない、治療が終了しても専用保定装置を装着せず後戻りが起きるという危惧は捨てきれない。事実1症例のみ経験しているが、それは関知できないし、矯正専門医の間でもそのような事例はポツポツあるらしいいが、誰も責任はもってくれない。
これは歯ぎしりを有するインプラント治療を行った患者さんが、治療終了後も就寝時のナイトガード必須であるのと同じである。
当医院でインビザライン矯正ご希望で来院される方にも、インビザライン矯正前後の一定期間、通常のブラケット
+ワイヤー矯正を行う可能性があるとご説明しているが、コンベンショナルな方法を併用することにより、
治療スピードと精度をアップすることが可能になる。
また、インビザライン矯正システムは小児の混合歯列期から対応可能なのであるが、前述の理由により、私は永久歯が完全に萠えそろい、きっちり指示事項を順守してくれそうな中学生以上を今のところ治療対象としている。
それより小さい方で矯正治療ご希望の方には通常の矯正治療で対応しているが、私見として、矯正治療開始の時期が早すぎるように感じるケースも多いのできちんと相談されることをお勧めする。
重篤なClassⅡ(口を閉じた場合、上下の前歯が噛み合わずに大きく隙間が開いている、ものが飲み込みにくい)・Ⅲ(いわゆる受け口)はこの限りではないが。