医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.06.26インプラント症例

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左上6部、術後8年メインテナンス中、BIomet3i。
インプラント埋入手術時先端部は側方からのアプローチによるサイナスリフト。
サイナスに中隔壁があり、それに沿わすようにサイナスリフトを行った。
本ケースはサイナスリフトを行うに当たり、7mm程度しかウィンドウを開けていない。
ソケットリフトでもよかったのだが、中隔があり、同部のシュナイダー膜剥離を行うの為に念のため直視する方法を選択した。
状況に応じた方法ならびにアレンジというものはたえず必要だが、マニュアル的治療しかできないと対応できないことも多いと思う。
骨移植には自家骨とセラソルブ使用。
βtcp製剤は長期的吸収が他の移植材と比較して大きいとのデータがあるので単独では最近はあまり使用しないが、予後が悪いということではないと思う。
この先の広がったBiomet3iのXPインプラントはサイナスリフトなどを行う際の初期固定がよく、この辺りはASTRA TECHより使い勝手がよかったのだが販売中止となった。
無いなら無いで色々工夫すればいいことなのだけれど、これもマニュアル通りの術式しか知らないと困ったことになる。
プラットフォームスイッチングにより、シーティングサーフェース周囲の骨は維持されている。
この患者さん、噛み合わせが悪く、本来は矯正治療が必要なのだけれど行わず、ナイトガードで対応する予定になっていた。
しかしながら最初はいくら言ってもナイトガードの装着をせず、治療後2年目と、4年目位でポーセレンのチッピングを起こし、補修、再製作を行っている。
当然、こちらの指導内容を順守していないのだから患者さん自身の負担となり、一切の責任は持たない。
3度目はなく、こちらの言うことに聞く耳持たぬのなら当医院でのフォローも中止と相当きつく警告し、ようやくナイトガード装着をしていただいたのだが、以後、トラブルは皆無であり、ようやく事の重要さに気が付かれたようだ。
この方に限らず、予後について安易な考えの方が僅かではあるが存在し、上部構造体の破損等のトラブルが発生する。
私は経験していないが、インプラント体がだめになることもある。
インプラント治療に限らず複雑な治療を行った場合、長期予後を得るためには患者さん自身が行わなければならない事、守っていただかなければならない事があるのだが、決して安易には考えないでもらいたい。
自分の勝手な判断で問題出ても責任は一切持てない。
ナイトガード装着を1年に1回忘れるというならまだしも、週に1〜2回以上装着していないとなるなら、年間48〜104回、即ち1〜3ヶ月以上はまるまる使用していないということになり、全く、何の意味もなさない。
くどいようだが、疾患があり、禁酒、禁煙、薬を毎日服用せなばならない状況でありながら怠って悪化してもご自身の責任であるし、そもそも自己責任の意識が希薄な方は歯科において複雑な治療は行わない方がよい。