医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.03.05根管治療について その1

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右上第一大臼歯痛みにて来院。
患者さんは他医院において比較的最近処置するも処置直後から痛みが続き治療した医院に連絡するも、そのうち収まりますとのことで噛み合わせの調整をしたのみでそれ以上の対応がなかった。
痛みが増々ひどくなり、当医院に来院。
X線写真から、根管充填剤の明らかなアンダーが見られた。
患者さんが言うには「先生は顕微鏡を使って治療していた。」との事。
顕微鏡なんだか天体望遠鏡なんだか知らないが、肉眼で問題点がわかる。
クラウンは咬合面がズルズルに削られ原型をとどめておらず、もはやクラウンとしての機能を果たしていない。
クラウンを除去してみると虫歯の取り残しがあり、内部から出血と排膿が見られ、最初パーフォレーションを疑ったが、痛みが強いので初診時は根管充填剤の除去と洗浄にとどめ、抗生剤と鎮痛剤内服してもらった。
2〜3日後には痛みは全く消失したので本格的な根管治療を開始した。
通常、保険請求上(ここが問題。また解説する。)、上顎第一大臼歯は3根管なのだが、統計的にかなりの頻度で4根管以上存在することが多く、本症例も近心頬側根が2根管であり、同部位は全く手付かず状態であった。
残念ながら見落としていたということ。
パーフォレーションではなく、この部位からの排膿、出血だったのだ。