医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2015.01.29エクストゥルージョン

DSC_4013.JPG
6┓垂直的歯根破折により保存不可能、抜歯せざるをえない。
抜歯後ブリッジという治療選択もあるのだが、患者さんは同部にインプラント治療を希望されたので、
単純に抜歯するのではなく、いったん引っ張りだしてから抜歯する。
前後の歯牙も治療予定。
事前に近心根、遠心根の2つに分割してあるが、動揺が全くなく、X線写真から分かるように、けっこう根が長くかつ肥大が見られるため、抜歯時に骨の削合が必要と思われるのだが、せっかくの骨を削合してしまうとインプラント埋入時にもったいない。
そこでいったんエクストゥルージョン行い、骨を保存し、かつ、歯牙を引っ張りだすと簡単に抜歯できるので、時々この様な方法を敢えてとることがある。
技術的には非常に簡単であり、こんなものは矯正治療と言えるようなものではなく期間も2週間程度。
抜歯の負担も通常よりはるかに軽く、事実この患者さんも術後全く痛みも腫れも出なかった。
そのままの抜歯だったらこうはいかなかったと思う。
ちょっと一手間かけることにより、その後の展開が大きく変わってくる。
また、歯肉もエクストゥルージョンにつられて出てくるため、抜歯後の傷口を縫合して閉鎖するのに有利であり、
これまた後のインプラント治療の助けとなる。
歯肉下の虫歯、浅い破折にもこの方法の応用+歯周外科処置(クラウンレングスニング)で歯牙を保存できる場合もあるので、(このケースは垂直的破折なので不可。)抜歯と言われた方でも一度チャレンジするチャレンジするしてみる価値はある。
DSC_4014.JPG
エクストゥルージョン2週間後。
経験上2〜3週間で完了し、ピンセットでつまんで抜ける位にグラグラになるので、結果、患者さんも楽である。
この写真のような装置を用いて処置する。
DSC_3934.JPG