医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2014.12.14メインテナンスの重要性

だいたい世の中に車しかり、家しかり、メインテナンスフリーのほったらかしで何の問題も出ないものなどない。
歯科治療は大なり小なり口腔内に人工物を入れることになる。
マテリアル的にインプラント体、セラミックス等長期安定が望めるものもあれば、レジン系など数年で劣化するものもある。
当医院の場合、大掛かりな治療、簡単な治療など状況を問わず、必要性があって(ここが大事。患者本人がその必要性、重要性を認めないなら行ってもしょうがない。)、また、患者さんご自身が希望される場合にはだいたい3〜6ヶ月おきに行う。
そもそも、治療終了後にメインテナンスに来院するつもりが毛頭ないなら、最初から複雑、高度な治療は受けるべきではない。
来院毎に口腔内の状況チェック、プロービング、動揺、カリエス、咬合、ブラッシング状態、場合によってはレントゲン写真、・・・・多岐にわたるチェックを行い、そのあとクリーニング、フッ化物塗布などの予防処置を行い、その後患者さんへの現状説明、アドバイスを行い、最終的に私のチェックで終りとなる。
主に歯科衛生士メインの業務なのであるが、小1時間位はかかる。
メインテナンスを確実に行うことにより、いい状態を維持し、耐久性をある程度伸ばすことも可能となる。
様々な事情から、時間稼ぎの治療を行っている場合にも有効だ。
フッ化物を歯牙に塗布することにより虫歯を作りにくくすることも可能である。
近年、盲目的にフッ化物を応用してインプラント体に問題が出るケースも報告されているので注意が必要だ。
ちなみに私はインプラント体に対するフッ化物の為害作用は早い時期から情報を得ていたので、注意深く対応でき、
問題発生は皆無であるが。
さらに、早期に虫歯、歯周病を発見することにより、早い対応が可能となり、先手の治療が可能となるのだが、これは歯科に限ったことではない。
前述通り、本来抜歯した方がよい歯牙を残して「時間稼ぎ」しているようなケースにも大変有効である。
メインテナンスは大変重要であるのだが、それほど大きな問題抱えてない方ほど熱心で、元々の状態悪く、大がかりな治療を行い、本来メインテナンス必須の方ほどメインテナンスうやむやになってしまう傾向があるようにも思う。
いや、熱心だからもともと大きな問題にならず、その後も問題出ないということか。
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ある方の初診時の状態。
別の歯科医院で1ヶ月毎のメインテナンスを行っていたらしいが、いくら言っても前歯部の審美障害には応急的にコンポジットレジン充填行うのみで根本治療とならず、そのコンポジットレジンがポロポロ直ぐ取れるということで、ご紹介により来院。
前歯は神経治療行わなければならないほど深い虫歯が多数ある。
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この他にも、精査、診断後、結局、インプラントを含めた大がかりな治療が必要になり、(歯周病も全く改善というか、手付かずの状態。)とりあえず当医院で直接法による仮歯を即席で作製、装着した時の写真。
この時点で患者さんは相当満足されておられたが、ホワイトニング後2回目のプロヴィジョナルクラウン作製し、PFMCr-Br処置となった。治療終了後3年。
定期検診といいつつ、問題把握が全く出来ておらず、結果、何もできていない、いや、行っていない一例なのであるが、
次から次へとこの様な状態の方の来院がある。いったいどうなっているのか?
そもそも問題点が把握できていないのか、把握できていても知識、スキル、経験の問題で、具体的にどう進めていけばよいのか分からず、「様子見ましょう。」というようなことになっているのか!?
それともうひとつ。
便宜的にクリーニングという言葉を使うが、虫歯、歯周病の早期発見、進行阻止が目的なのだから、慢性疾患に対する治療という位置づけであることを忘れてはいけない。