医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2014.12.22All on 4

All on 4というインプラントシステムがある。
オリジナルはブローネマルクインプラントシステム。
上下顎問わず、全く歯がない状態から(正常なら歯牙は片顎14本、上下で28本、親知らず除く。)顎4本のインプラントで左右5部までの10本程度の歯牙による咬合回復させようというもの。
きちっと長期に機能すれば有用な治療方法のひとつではあろう。
日本でも売りにしている歯科医院もあるが、私は行ったことない。
機会があればいつでもできるとは思うが、そもそも欧米人のデータしかなく、骨質、厚み、幅がディスアドバンテージな日本人にはどうも???な部分あり、オリジナルのプロトコルを満たすような症例が日本人には少なく、一番力のかかる6部の咬合回復が行いづらいため、中途半端感が強いようにも思える。
実際、知人の歯科医に長期安定症例を見せていただいたことあるが、それは処置を行った歯科医の診査、診断能力、技術、知識、症例セレクション能力が高かったからである。
逆に短期間でグチャグチャになったケースも見たが(全く知らない歯科医)、そりゃダメになるわなと思えるケースであり、何も考えずに何でもかんでも4本のインプラントで持ちますよと言っている歯科医との格差は大きい。
そのAll on 4はいつのまにかAll on "6"と2本増えているところをみるとやはりなと思うが、それも長期臨床成績はこれからだと思う。
私の場合、無歯顎で固定式の補綴物をご希望されるのであれば、片顎7〜10本のインプラント治療を行うと思うし、事実、過去のこのような設計の症例を見ても何の問題もなく経過している。
かなりの高コストになるのは避けられないが、家を立てるときにコスト削減のために柱を1本、2本減らしましょうかというような話ができないのといっしょである。
IOD(義歯)はこの限りではない。