医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2014.11.13咬合のはなし4

重複するが、先にお見せした一症例の続き。
写真1
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咬合器に歯型をセットした状態。
CRバイト。前歯が空いているいわゆるアンテリアガイダンス欠如、オープンバイト。

写真2
DSC_3615.JPG
COバイト。前歯が噛んでいる。
CRから噛みこむとこの位置にずれて、どこで噛んでいいのか分からないとのこと。
前にずらさないと、物を噛み切ることができず、結果顎関節が不安定となる。
この位置で噛むことにものすごい違和感がある。
写真3
DSC_3634.JPG
マウスピース使用してもらい1ヶ月経過し、顎関節症症状の消失したことを確認、再度CRバイト採得。
写真1とは違った位置となっているが、現状が周囲筋の緊張が取れ、安定しつつある位置。
ぱっと見た目の歯並びは悪くない、むしろきれいなくらいであるが、咬合の観点から矯正が必要なケース。
もし、矯正を行わないのなら、補綴的対応もしくは、マウスピースによる対処療法となる。
咬合の事をよく理解していない矯正医にかかると、治療終了時にオープンバイトであることもあるが、パッと見た目は歯並びがきれいになっているため、患者も満足してしまい、そこで終了となることも多い。
何年かのちに問題でてくることは患者自身も、そして歯科医も分かっていない。
本症例は、このCRバイトから、全体の歯牙で噛めるようにCR=COを目指して咬合再構築するには矯正治療が必要なことを患者さんも十分理解していただき、ご希望されたので矯正治療に移行する。
ということなので、歯が欠損しました、それじゃすぐインプラントしましょう、見た目が悪いから矯正しましょうというような単純な話しにはならない、そのような話に安直にのってはいけない。
高度な治療になればなるほど、患者さん自身の理解も必要。
機能を考えない審美治療などありえない。
補綴物、詰め物の調整を行うのにも、単に高いとか低い程度の調整ではダメで、プロトコルに従った方法で行わなければならない。