医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2014.07.12インプラント その4

インプラント治療はインプラントの埋め込みだけできれば良いというものでは決して無い。
しかながら、患者さんはともかく、歯科医自身理解していない人が結構いるから厄介だ。
基本的な知識はもちろん、特に口腔外科、歯周病、咬合(噛み合わせ)、補綴、さらには矯正治療のの知識、技術不在では予知性の高い治療は不可能だ。

かみ合わせ、専門的に言うならアンテリアガイダンスの確立は非常に大事である。
このアンテリアガイダンスの確立のために、矯正治療や補綴治療が必要になるケース、
両方共治療困難であれば、ナイトガードの装着が必要になるケースもある。
歯周病のマネージメントも大変重要。

歯周病骨が吸収している状況でインプラントの話をしても始まらない。
地盤工事がいい加減な状態で上物を建築するのと全く同じである。
この様に様々な要素を考えて治療が必要なのである。

歯の喪失問題が起きるケースは大雑把にいうと3つ。
1・虫歯、2歯周病、3・外傷
3の外傷は稀なアクシデントなのであるが、1・2に関して、ある部位の歯が特異的に保存不可能となるケースはまれであり、同時進行的に他の部位にも問題発生している場合がほとんどであることは想像に難くない。
なので、歯科医が喪失部位のことしか診ない、患者がその部分の治療のことしか関心がないというのもおかしいなことであることだとお気づきだと思う。
したがって他医院のHPにおいてもインプラント治療のみ細かくフォーカスされ、説明あるが、それをとりまく治療に関しての説明がおろそかになっている場合は驚きだ。
「そんな事は常識で書くまでもない!」と言われれば、「おっしゃる通りです。」なのだが。

歯がなくなったところに即インプラント、後の問題点はそのまま放置みたいな治療に多く遭遇するが、長期的予後は疑問である。
歯科医側の問題なのか患者側の問題なのかは不明だが。
インプラント、インプラントと何とかの一つ覚えではダメである。
インプラントなぞ、治療選択肢の一つにしかすぎないのだから。