医療法人一元会 松井山手西川歯科医院 ペリオ・インプラントクリニック インビザライン矯正

2014.06.05オールセラミックスクラウン

オールセラミックスクラウンは光の透過性が高いので、審美的に非常に有利だと評価されている。
個人的にはファーストチョイスのマテリアルだとは思わないが、確かに前歯には非常に有効だ。
過去、様々なメーカーがオールセラミックスの多様な製品を発売したが、ことごとくダメだった。
今は陰も形も無いが、オリンパスのカメラレンズを作る技術を応用したキャスタブルセラミックといものもあった。
初期のオールセラミックスは革新的な技術ともてはやされたが、割れたりするトラブル続出で、私は、様々なルートから情報を得ていたので飛びつかなくて本当に良かったと思う。
これに限らず、歯科の世界は、鳴り物入りで登場し、しかも提灯記事を書いている「有名な先生ご推奨」で、パッと業界に広まり、あっというまになくなるということの繰り返しだ。
しかし、近年、ジルコニアの加工技術、精度が上がり、また、ジルコニア自体の強度飛躍的に増し、トラブルが少なくなってきたように思う。
これは大きな、例えば3Mなどの世界的なメーカーが参入し、研究開発が進むことにより、PFMCrからメタルフリーになってきたが、まだまだインプラントフレームように位置がきちんと決まるものはともかく、大規模補綴には向かない。
なぜなら、歯というものは歯根膜という組織を介して骨の中に埋まっているので、正常な状態でもほんの少しの動きがある。
ましてや歯周病に罹患し、動揺が大きな歯牙は型とりの際、微妙に位置が変わるので一発で型とりしたものがピッタリ入るということは私の基準からするとあり得ない。
そこで、場合によってはロウ着というテクニックを用いるのだが、説明しだすと本1冊位は軽く書けるので、また今度。
要するに、大掛かりな被せ物の型とりをして、次回には完成というのは私の臨床ではあり得ないです。
その分、来院回数が増えて申し訳ないのですが。

オールセラミックスは、残念ながら現状このテクニックが使えない。

それと、強い歯ぎしりがある方で、就寝時ナイトガードを確実に使用していただけない方はこの様な治療は行うべきではない。